42号線を南下して・・・

明け方に松阪を出発し、那智山を登ってきた。松阪から那智までは約3時間半かかる。
地元のひとは、「なちさん」とは言わない。親しみと崇敬を込め、「なちぃさん」と発音する。

オイラは車を停め、大門坂から青岸渡寺をめざす。




効率優先の観光バスは、もっと上の駐車場まで行ってしまう。「蟻の熊野詣」の最終目的地は、「那智の滝」ではなかったかと考えるのが一般的だ。日本３名瀑に数えられる那智の滝は、海からも見える。漁に生きたひとたちは、滝を目印に航行した。滝は海神（わだつみ）でもあった。オイラは神に会うため、苔むした石段を登る。





約2キロ歩き、熊野那智大社へたどり着く。たくさんのひとがいた。那智山でこんなにひとがいるのを見たことがない。

皮肉にも開発が遅れた地方は、世界遺産という名の下、俗化される。